LDAP チャネル バインディングと LDAP 署名を有効にするためのマイクロソフト ガイダンス
リリース日: 2019年8月13日
最終更新日: 2024年1月9日
- Assigning CNA
- Microsoft
- 影響
- なし
- 最大深刻度
- なし
概要
LDAP チャネル バインディングと LDAP 署名には、LDAP クライアントと Active Directory ドメイン コントローラー間の通信のセキュリティを強化する複数の方法が用意されています。Active Directory ドメイン コントローラー上の LDAP チャネル バインディングと LDAP 署名には、LDAP チャネル バインディングと LDAP 署名を適用せずに LDAP クライアントが通信できる一連の安全ではない既定の構成が存在します。これにより、Active Directory ドメイン コントローラーで特権の昇格の脆弱性が生じる可能性があります。
マイクロソフトは、これらの既定の構成が使用されている場合、Microsoft Windows に特権の昇格の脆弱性が存在することを認識しています。この脆弱性により、中間者攻撃の実行者が、チャネル バインディングや、受信接続に対する署名または封印が必須となるよう構成されていない Windows LDAP サーバー (AD DS を実行するシステムなど) に対して、認証要求の転送に成功する可能性があります。
マイクロソフトは、次のように Active Directory ドメイン コントローラーでの LDAP チャネル バインディングと LDAP 署名の構成を強化するための推奨事項を管理者に提供することにより、この脆弱性に対応しています。
2019 年 8 月、マイクロソフトは ADV190023 を公開し、設定に関する以下の推奨を行いました。
- グループ ポリシーで LDAP 署名の [署名を必要とする] をオンにします。
- レジストリ キーとしてチャネル バインディング トークン (CBT) を 1 に設定するか、次のようにドメイン コントローラーを設定します。2020 年 3 月 11 日の更新プログラムをインストールした後、LDAP server channel binding token requirements グループ ポリシーを When Supported に設定します。
2020 年 3 月 11 日、Windows の更新プログラムにより、管理者が Active Directory ドメイン コントローラーの LDAP チャネル バインディングの構成を強化するためのオプションが追加されます。更新プログラムにより、以下が追加されます。
- ドメイン コントローラー: LDAP server channel binding token requirements グループ ポリシー。
- ディレクトリ サービス イベント ログにイベント ソース Microsoft-Windows-ActiveDirectory_DomainService が含まれる CBT 署名イベント 3039、3040、および 3041。
2023 年 8 月 9 日、Server 2022 向けの Windows の更新プログラムにより、Active Directory ドメイン コントローラーでのイベントを介して LDAP チャネル バインディング トークンを使用できないクライアント マシンを、管理者が監査するためのオプションが追加されます。更新プログラムにより、ディレクトリ サービス イベント ログにイベント ソース Microsoft-Windows-ActiveDirectory_DomainService が含まれる CBT イベント 3074 および 3075 を有効にする機能が追加されます。
2023 年 10 月 11 日、Server 2019 向けの Windows の更新プログラムにより、管理者がこれらのクライアントを監査するためのオプションが追加されます。更新プログラムにより、ディレクトリ サービス イベント ログにイベント ソース Microsoft-Windows-ActiveDirectory_DomainService が含まれる CBT イベント 3074 および 3075 を有効にする機能が追加されます。
2023 年 10 月 18 日、マイクロソフトは、Windows Server 2022 23H2 エディション (Server コア インストール) をリリースしました。このバージョンには、Active Directory ドメイン コントローラーでのイベントを介して LDAP チャネル バインディング トークンを使用できないクライアント マシンを、管理者が監査するためのオプションと、ディレクトリ サービス イベント ログにイベント ソース Microsoft-Windows-ActiveDirectory_DomainService が含まれる CBT イベント 3074 および 3075 を有効にする機能が含まれています。
2023 年 11 月 15 日のセキュリティ更新プログラムのリリースにより、2023 年 8 月に追加された監査の変更が Windows Server 2022 で使用できるようになりました。推奨される操作の手順 3 に説明されているとおりに、MSI のインストールやポリシーの作成を行う必要はありません。
重要: 2020 年 3 月 11 日と近い将来の更新プログラムを適用しても、新規または既存のドメイン コントローラー上の LDAP 署名または LDAP チャネル バインディングのポリシー、またはそれらに相当するレジストリは変更されません。
LDAP 署名の Domain controller: LDAP server signing requirements ポリシーが、サポートされているすべてのバージョンの Windows に既に存在することに注意してください。
推奨される操作
マイクロソフトは、管理者がこのアドバイザリの概要の手順 1 で推奨されているとおりに LDAP 署名と LDAP チャネル バインディングを構成することを推奨します。詳細については、KB4520412「Windows の 2020 年および 2023 年 LDAP 署名と LDAP チャネル バインディングの要件」を参照してください。
このアドバイザリの更新時に通知を受け取る方法
2020 年 3 月 11 日の Windows 更新プログラムがリリースされた時点で、このアドバイザリを更新してお客様にお知らせします。更新プログラムのリリース時に通知を受けるには、このアドバイザリの内容変更についてお知らせするセキュリティ通知メーラーに登録することをお勧めします。「マイクロソフト テクニカル セキュリティ通知のご案内」を参照してください。
参照情報
Active Directory ドメイン コントローラーで LDAP チャネル バインディングと LDAP 署名を有効にする方法の詳細については、次のマイクロソフト サポート技術情報を参照してください。
- KB4520412: Windows の 2020 年および 2023 年 LDAP 署名と LDAP チャネル バインディングの要件
- KB4034879: LDAP チャネル バインディング
- KB935834: LDAP 署名
- KB4546509: ライトウェイト ディレクトリ アクセス プロトコルの変更についてよく寄せられる質問
よく寄せられる質問
その他の質問への回答はどこで入手できますか。
Active Directory ドメイン コントローラーでの LDAP チャネル バインディングと LDAP 署名についてよく寄せられる質問の一覧については、KB4546509「ライトウェイト ディレクトリ アクセス プロトコルの変更についてよく寄せられる質問」を参照してください。また、KB4520412「Windows の 2020 年および 2023 年 LDAP 署名と LDAP チャネル バインディングの要件」を参照してください。
悪用可能性
次の表は、最初の公開時点でのこの脆弱性の悪用可能性評価をまとめたものです。
- Publicly disclosed
- あり
- Exploited
- なし
- Exploitability assessment
- 悪用される可能性は低い
謝辞
セキュリティ更新プログラム
お使いのソフトウェアのサポート ライフサイクルを確認するには、Microsoft サポート ライフサイクルの Web サイトを参照してください。
免責
更新履歴
With the release of the January 9, 2024 security updates, the auditing changes added in August 2023 are now available on Windows Server 2019. You do not need to install MSIs or create policies as mentioned in Step 3 of Recommended Actions.
2023 年 11 月 15 日のセキュリティ更新プログラムのリリースにより、2023 年 8 月に追加された監査の変更が Windows Server 2022 で使用できるようになりました。推奨される操作の手順 3 に説明されているとおりに、MSI のインストールやポリシーの作成を行う必要はありません。
2023 年 10 月 18 日、マイクロソフトは、Windows Server 2022 23H2 エディション (Server コア インストール) をリリースしました。このバージョンには、Active Directory ドメイン コントローラーでのイベントを介して LDAP チャネル バインディング トークンを使用できないクライアント マシンを、管理者が監査するためのオプションと、ディレクトリ サービス イベント ログにイベント ソース Microsoft-Windows-ActiveDirectory_DomainService が含まれる CBT イベント 3074 および 3075 を有効にする機能が含まれています。
マイクロソフトは、Active Directory ドメイン コントローラーでのイベントを介して LDAP チャネル バインディング トークンを使用できないクライアント マシンを管理者が監視できるようにするために、2023 年 10 月 11 日の更新プログラムが Windows Server 2022 と Windows Server 2022 (Server Core インストール) 向けにリリースされることを発表しています。更新プログラムにより、ディレクトリ サービス イベント ログにイベント ソース Microsoft-Windows-ActiveDirectory_DomainService が含まれる CBT イベント 3074 および 3075 を有効にする機能が追加されます。
マイクロソフトは、Active Directory ドメイン コントローラーでのイベントを介して LDAP チャネル バインディング トークンを使用できないクライアント マシンを監視するために、2023 年 8 月 9 日に 2023 年 8 月の更新プログラムが Windows Server 2022 と Windows Server 2022 (Server Core インストール) 向けにリリースされることを発表しています。更新プログラムにより、ディレクトリ サービス イベント ログにイベント ソース Microsoft-Windows-ActiveDirectory_DomainService が含まれる CBT イベント 3074 および 3075 を有効にする機能が追加されます。
マイクロソフトは、管理者が Active Directory ドメイン コントローラーの LDAP チャネル バインディングの構成を強化するためのオプションが追加されたセキュリティ更新プログラムを 2020 年 3 月 11 日にリリースすることを発表しました。たとえば、次のオプションがあります。1."Domain controller: LDAP server channel binding token requirements" グループ ポリシー。2.ディレクトリ サービス イベント ログにイベント ソース Microsoft-Windows-ActiveDirectory_DomainService が含まれる CBT 署名イベント 3039、3040、および 3041。2020 年 3 月 11 日と近い将来の更新プログラムを適用しても、新規または既存のドメイン コントローラー上の LDAP 署名または LDAP チャネル バインディングのポリシー、またはそれらに相当するレジストリは変更されないことに注意してください。
次の点が修正されました。1.Active Directory ドメイン コントローラーでの LDAP チャネル バインディングと LDAP 署名の構成を強化するためにお客様が実行する必要があるアクションを明確にしました。2.「参照情報」セクションに、KB4546509「ライトウェイト ディレクトリ アクセス プロトコルの変更についてよく寄せられる質問」のリンク (https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4546509) を追加しました。3.お客様を KB4546509 に誘導するように「よく寄せられる質問」セクションを更新しました。
「推奨される操作」セクションに、LDAP チャネル バインディングと LDAP 署名の強化を有効にする 2020 年 3 月の更新プログラムに含まれる内容に関する詳細情報を追加しました。これらの設定の既定値が構成されたドメイン コントローラー上で LDAP 署名とチャネル バインディングが行われる、今後のマンスリー更新プログラムに関する情報が含まれています。これらは情報のみの変更です。
「推奨される操作」セクションの冒頭文を更新し、この Windows 更新プログラムが 2020 年 3 月にリリースされることを記載しました。
「推奨される操作」セクションを改訂し、Active Directory ドメイン コントローラーでの LDAP チャネル バインディングと LDAP 署名をより安全にするための対応措置に関する詳細情報を記載しました。